先日、在住者の生活に影響が出るような大規模なデモが起きました。
その際に痛感したのが、「信頼できる情報の探し方」。外国人として生活する中で、母語でない言語で発信される情報の海から必要なものを取捨選択する難しさを感じました。
時に昨今はAIの進化でディープフェイクも大量に出回る中で、たくさんの情報が錯綜しました。
ここでは、インドネシアで生活する上で知っておきたい信頼できるメディアをまとめておきます。
前提として入れておきたいアプリ
時はSNS全盛期。各メディアもそれぞれの発信チャネルを持ちながらも、最新情報はSNSで発信していることが多いのが現実です。
ですので、最新の情報を知りたい場合はSNSのX(Twitter)やInstagramでの情報収集はマストと言えます。
日本語メディア・情報源
在インドネシア日本国大使館

日本語ソースとして第一優先はもちろん大使館。
リアルタイムではないものの、わかりやすく必要な情報を発信してくれます。
大使館はSNSメディアを持たないので、公式Webサイトもしくはメールマガジンでの配信をチェックします。
大使館のメールを受け取りたい場合は、在留届やたびレジの登録を忘れずに。
○在インドネシア日本国大使館 Webサイト お知らせ一覧
https://www.id.emb-japan.go.jp/itpr_ja/jakarta.html
○オンライン在留届(3か月以上海外に滞在する場合に届け出る必要あり)
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
○たびレジ(外務省からの最新の安全情報を日本語で受信できる海外安全情報 無料配信サービス)
じゃかるた新聞

通称「じゃか新」。1998年11月に創刊した日刊紙で、独自取材に基づく報道を強みとします。
在住邦人向けの「地元新聞」のポジションを確立しているメディアのひとつ。
時事問題や政治、ビジネス、日本人コミュニティの情報など、幅広いカテゴリーの情報源として信頼されています。
ジャカルタ日報

2025年10月創刊の新しい日本語メディア、ジャカルタ日報。紙面版に先駆けて、電子版がスタートしています。
Webサイトは正直まだベータ版という感じ。今はXでの発信に力を入れているようです。
2025年8月末の大規模デモの際に安全情報や速報を精力的に発信していた印象があります。
今後に期待できるメディアです。
Lifenesia(ライフネシア)

日本語フリーペーパーといえばライフネシア。グルメやお役立ち情報など、在住邦人の生活をサポートしてくれる心強い存在です。
上記2誌と違って、リアルタイムの時事系ではなく生活情報に全振りですね。
紙面は毎週木曜日発刊。日系グロッサリーのパパイヤなどで入手できます。
Web版も展開しており、幅広いトピックにアクセスできます。ただ、助かる情報も多いんだけど、Web版はカテゴリーが乱立しすぎて探しにくいのがもったいない….。
公式LINEに登録すると新着情報が届きます。
毎年発行されている「インドネシア駐在生活ハンドブック」は、インドネシア生活の基本のキが網羅されているので便利です。
○Lifenesia Webサイト
○Lifenesia Xアカウント
○Lifenesia Instagram
インドネシア語メディア
Kompas.com
ジャカルタを代表する日刊紙、Kompas。
Harian Kompasは1965年創刊以来、国内最大級の発行部数と読者数を誇り、インドネシアの「新聞の記録メディア」として高い地位を占めています。
デジタル版は1995年に開始し、その後1998年に事業単位として独立。
ニュース速報だけでなく、信頼できる深掘り記事や調査報道、マルチメディア形式の情報発信もカバーしており、非常にバランスの取れたニュースメディアといわれます。
Detik.com
1998年設立、CT Corp 傘下の Trans Media が運営。
「Detik(秒)」という名の通り「Breaking News」を大量・高速に配信し、ニュースの速報性に定評があります。リアルタイムで最新情報を伝えたい読者に支持されているとのこと。
インドネシア国内で最も利用されるオンラインニュースサイトの一つで1日平均1億8千万アクセス、世界トップ250にランクインしているとのこと。
上記Kompasと並ぶ、インドネシア2大メディアとも言われます。
CNN Indonesia
インドネシア大手メディアグループ Trans Media が2015年開局。
政府・反政府双方の論点を報じる比較的バランス型で、国際的なニュースネットワークであるCNNの編集基準を取り入れています。
政治・経済・国際関係などの分析記事が多く、ニュース番組での信頼性が高いとされます。
Tempo.co
1971年創刊の週刊誌「Tempo」を母体とするメディア。
かつて政府批判記事で発禁処分を受けた歴史を持ち、現在は民主化以降、自由報道の象徴的存在とのこと。
権力監視に積極的で調査報道に強く、国際的にも評価が高いとされます(国際賞受賞歴あり)。
BeritaSatu
インドネシア大手財閥 Lippo Group 傘下の BeritaSatu Media Holdings が運営。新聞・テレビ・オンラインを展開しています。
政治・経済ニュースを中心に扱い、特に企業や政策に関する一次情報を早く伝えることに定評があります。
ビジネス系・政策系ニュースに強みがあり、公式声明(政府・議会・企業)を忠実に報じる傾向があるとされます。
英語メディア
The Jakarta Post
1983年、インドネシア情報大臣と政治家の呼びかけにより、複数メディア(Kompas、Tempo、Suara Karya、Sinar Harapan)が協力して創刊。
1990年代以降、より親民主的なスタンスを明確にしているとのこと。
貴重な英語の情報源として、長年にわたり海外やエリート層向けに高い評価を得ています。
Tempo English
Tempoの英語版として、インドネシア国内外のエクスパット(外国居住者)、英語話者、ASEAN /国際的な読者向けにンドネシアの政治・経済・社会・文化などを英語で発信しています。
70〜80%がインドネシア語版 Tempo の翻訳であるため即時性は本家Tempoには劣るものの、英語メディアとして外国人に関心が高いテーマを多く扱っているのが特徴。
英語で概要を掴みつつ、詳細はインドネシア語のニュースソースを参照するという使い方が良いかもしれません。※英語オリジナル記事もあります。
おわりに
日常生活でのグルメ情報や子育て情報などは、SNSやブログ、おしゃべりの中で得られる口コミ情報が最強です。
ただ、最新情報が頻繁に更新される日々のなかで、「これは信頼できる情報か?」と判断し続ける感覚は持っておきたいなと感じています。
口コミとメディア、両方とうまく付き合いながらインドネシア生活を送りたいと思います。